Japanese
English
原著
黒色調を呈したPinkus型Eccrine Poroma—2例の報告
Pigmented Eccrine Poroma (Pinkus Type):Report of Two Cases
佐藤 則子
1
,
木村 俊次
1
Noriko SATOH
1
,
Shunji KIMURA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
pp.827-830
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203525
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症例1,66歳女.2年来出現し,漸次増大.現症:左側頸に6.5×5.0mm,黒色,ドーム状,表面平滑,弾性軟の腫瘤が単発.組織所見:被覆表皮と連続性に基底細胞様の小型類円形の細胞が索状,粗大網状をなして増殖.管腔構造あり.明調細胞が胞巣内に多数散在.全般的に腫瘍細胞内にメラニン色素が増加し,一部で特に顕著.症例2,53歳男.5年来出現し漸次増大.現症:右示指基部横側に3×3mm,類円形,黒褐色,表面角化性,細顆粒状,扁平隆起性の小腫瘍が単発.組織所見:表皮と連続性に基底細胞様の小型類円形の細胞が充実性に増殖.腫瘍細胞自体にはメラニン色素は一部で増加しているのみであるが,被覆表皮では全般的に,メラニン色素と明調細胞とが増加している,黒褐色調を呈したPinkus型eccrine poromaについて検討し,本邦では稀ならず認められること,メラニン色素増加やメラノサイトの存在を示す例も少なくないことなどを指摘した.
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