Japanese
English
原著
カルテオロール(β-遮断薬)およびα-メチルドーパによる苔癬様皮疹
Lichenoid Eruption Induced by Carteolol and α-Methyldopa
久保寺 直美
1
,
池澤 善郎
1
,
宮本 秀明
1
,
吉田 貞夫
2
Naomi KUBODERA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
,
Hideaki MIYAMOTO
1
,
Sadao YOSHIDA
2
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
2横浜南共済病院皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
2Department of Dermatology, Yokohama Minami-Kyosai Hospital
pp.513-518
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203471
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要約 カルテオロールとα-メチルドーパによる苔癬様皮疹を経験した.患者は66歳の男性.腎機能低下を伴う高血圧症に対して種々の高血圧治療薬,尿酸生成阻害薬および血管拡張薬の6種類の薬剤を服用中に,瘙痒を伴う紅色皮疹が体幹四肢に出現,比較的急速に増加した.皮疹は鱗屑を伴う紅斑(乾癬様皮疹)を混じた褐色の色素沈着性紅斑(苔癬様皮疹)で,組織学的には軽度の苔癬様組織反応であった.舌にも扁平苔癬様の白色病変が認められた.皮疹軽快後に施行した投与薬剤全ての内服試験により,上記2薬剤が原因薬剤であると推定された.薬疹発症までの投与期間がカルテオロールの場合約3年間,α-メチルドーパの場合約10年間であったにもかかわらず,内服試験ではそれぞれ2日後と約8時間後に融合性の充実性紅色丘疹が誘発された.本症例は臨床的にも免疫学的にも興味ある症例と考え,若干の考察を加えて報告した.
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