Japanese
English
原著
Solitary Enchondromaの1例
A Case of Solitary Enchondroma
前田 健
1
,
姉小路 公久
1
,
神山 慎二
2
Takeshi MAEDA
1
,
Kinhisa ANEKOHJI
1
,
Shinji KAMIYAMA
2
1東京警察病院皮膚科
2東京警察病院整形外科
1Department of Dermatology, Tokyo Metropolitan Police Hospital
pp.621-625
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202872
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32歳,女性.昭和56年6月より右第1指が腫脹し,時々疼痛もあったが放置していた.昭和57年1月,左第Ⅴ趾骨骨折のため当院整形外科入院時,右第Ⅰ指の内軟骨腫を指摘される.皮膚科初診時,右第Ⅰ指は時計皿状で,爪甲は波状を呈していた.右第Ⅰ指X-P所見にて,末節骨中央に嚢腫状陰影を認める.病理組織学的所見では硝子様軟骨を主体とする腫瘍で,細胞数は正常で核に異型性はなく,単核のものが多かった.本腫瘍は手指骨に多く発生するが,第Ⅰ指には比較的少ない.又,基節骨,中節骨に多く,末節骨にも比較的少ない.本症例はこの稀な第Ⅰ指,末節骨に発生し,爪甲変形を伴っていた.皮膚科領域では今までに4例の報告があった.無症状で進行が遅いため,患者は腫瘍に気付かず,爪甲変形を主訴として皮膚科へ来院することも考えられるので,爪甲変形を来す疾患の鑑別に加える必要がある.
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