Japanese
English
症例報告
Phenytoinが奏効したlinear IgA bullous dermatosis of childhoodの1例
Linear IgA hullous dermatosis of childhood, successfully treated with phenytoin
野口 俊彦
1,3
,
坪井 広美
1
,
藤岡 彰
1
,
橋本 明彦
1
,
浅井 俊弥
1
,
瀬在 由美子
2
Toshihiko NOGUCHI
1,3
,
Hiromi TSUBOI
1
,
Akira FUJIOKA
1
,
Akihiko HASHIMOTO
1
,
Toshiya ASAI
1
,
Yumiko SEZAI
2
1北里大学医学部皮膚科学教室
2セザイ皮膚科クリニック
3野口病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
2Sezai Dermatological Clinic
キーワード:
水疱症
,
IgA
,
phenytoin
Keyword:
水疱症
,
IgA
,
phenytoin
pp.453-455
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902223
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3歳,男児.初診1か月前より水疱が出現し,徐々に全身に広がった.初診時,ほぼ全身に緊満性水疱,浮腫性紅斑がみられ,一部の紅斑の辺縁には小水疱が環状に配列していた.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体法にて基底膜部に一致してIgAの線状沈着が認められた.以上よりlinearIgA bullous dermatosis of childhood(LABDC)と診断した.DDSの投与により水疱,紅斑とも消退したものの肝機能障害が出現したためDDSを中止した.Phenytoin 8mg/kg投与し有効血中濃度に達した頃より,水疱,紅斑は消退し始めた.Phenvtoinの効果を検討するため減量したところ,水疱が新生し始め,元の量に戻すと水疱は消失した.略治状態で3年かけて減量した.投与中止後2年経過するが再発は見られていない.Phenytoinが著効したLABDCの報告はなく,その作用機序を含め若干の文献的考察を行った.
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