Japanese
English
原著
幼児重症熱傷の1成功例
A Successful Case of Severe Burn in Childhood.
浪花 志郎
1
,
西岡 和恵
1
,
岡崎 泰典
1
,
原 紀正
1
Shiro NANIWA
1
,
Kazue NISHIOKA
1
,
Yasunori OKAZAKI
1
,
Norimasa HARA
1
1山口大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yamaguchi University School of Medicine
pp.745-750
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202479
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ICUの協力を得て救命し得た,1歳4ヵ月,女児の熱湯浴槽内転落による,85%Ⅱ度(SDB 70%およびDDB 15%)の重症熱傷例を報告した.ショック期の輸液には,質,量ともに従来の公式にとらわれず,CVPおよび尿量の他,ICUの協力による静脈血ガス分析値を指標として行い,第1日目の電解質液輸液量は正常時循環量の約7倍に達した.感染期,潰瘍期を通じて発熱が持続し,留置カテーテルに起因する緑膿菌の尿路感染が合併した.熱傷面が広範囲のため植皮の恵皮部を見出すのに苦心したが,背面から採取した約80cm2の中間層植皮で腹面の潰瘍をおおい,計2回の植皮で,第8週目に全熱傷面の表皮再生が完了した.回復期までの経過は一般に良好で2ヵ月後に治ゆ,退院した.
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