Japanese
English
原著
Microsporum canis感染症の18例—(付)特異な臨床像を示した症例
Eighteen Cases of Microsporum Canis Infection, Including Those with Peculiar Clinical Features
木村 滋
1
,
山田 富美子
1
,
沼田 時男
1
,
亀井 幸雄
1
Shigeru KIMURA
1
,
Tomiko YAMADA
1
,
Tokio NUMATA
1
,
Yukio KAMEI
1
1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nagoya City University School of Medicine
pp.569-574
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202446
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1975年11月から1979年4月までに名市大皮膚科を受診したMicrosporum感染症18例の年齢,性,罹患部位,発症月,家族内発症,感染源,治療および臨床像についてまとめた.全例の56%が10歳以下の子供であった.性別では,15歳以下では男女ほぼ同数であるが,成人ではすべて女性であった.罹患部位は露出部の前面に多く,10歳以下ではそのうち頭および顔面に多かった.発症は春,初夏および秋に多かった.大部分が家族内発生で感染源は全例飼ネコと推定された.治療は抗白癬菌剤の外用あるいは内服との併用を行ったが,治療期間が4〜7ヵ月(ケルズス禿瘡,頭部白癬)ないしは3ヵ月(体部白癬)と長かった症例があった.本菌の体部白癬の皮疹の中には定型的とみられるもの以外に,扁平な紅色丘疹ないしは滲出性紅斑様紅斑を生じた家族例および膿痂疹様皮疹を示した1例があり,これらについて詳しく記載した.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.