Japanese
English
原著
Necrobiosis Lipoidicaの1例
A Case of Necrobiosis Lipoidica
鈴木 和幸
1
,
水野 信行
1
Kazuyuki SUZUKI
1
,
Nobuyuki MIZUNO
1
1名古屋市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nagoya City University School of Medicine
pp.447-450
発行日 1980年6月1日
Published Date 1980/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202231
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40歳,女.父などに糖尿病(DM)がある.1年前から発生した両下腿伸側の径4cmまでの浸潤性紅斑,尿糖は陰性で,ブドウ糖経口負荷試験でも血糖およびインシュリン値に異常はなかった.組織学的には,真皮網状層に膠原線維の変性と巨細胞を伴った類上皮細胞性肉芽腫と細胞浸潤巣が散在した.血管壁の変化はなかった.変性部にズダンⅢ陽性の脂肪滴をみた.以上のように臨床的には典型的であったが,DMはなかった.本邦NLの33例のうち70%がDMに関連があった.NL発症後DMを発病した群は大部分8年以内であった.それに比べてDMの発病のない症例は観察期間の短かい例が多い.典型的な本症で本人にDMがなく,家族にDMがあったのはわれわれの例が最初である.組織像からDMの有無を区別することはできなかった.
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