Japanese
English
原著
アミロイド苔癬—11年間の統計を含めて
A Case of Lichen Amyloidosus with Statistical Observation for 11 Years
平井 昭男
1
,
北村 啓次郎
2
Akio HIRAI
1
,
Keijiro KITAMURA
2
1東京都済生会中央病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Division of Dermatology, Tokyoto Saiseikai Chuo Hospital
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.1045-1052
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201992
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要約 77歳,男性,四肢の瘙痒性皮疹で来院.臨床および組織学的にアミロイド苔癬(LA)と診断し,ステロイド剤外用にて軽快するも,治療を中止したところ再燃した定型例を報告した.さらに昭和42年〜52年までの11年間に組織学的にLAと診断された慶大例35例,済生会中央病院例3例,計38例について臨床統計的観察を行い,慶大例35例については病理組織学的観察も行った.その結果,LAは近年漸増し男女比では,老年男子の四肢には丘疹型が多く,中年女子の背部には色素沈着型が多かった.合併症は湿疹類が多く,続発性皮膚アミロイド症と思われるものも見られた.組織学的には,アミロイド沈着に伴う表皮の二次的変化として,過角化,角層内球状異常角化,顆粒層肥厚,有棘層内異常角化細胞を,真皮アミロイド沈着部及びその周囲の変化として,裂隙形成,大型単核細胞の浸潤,豊富な好銀線維,色素失調などを高率に認めた.
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