Japanese
English
原著
カンジダ性肉芽腫—経過中に各種免疫学的異常を認めた例
CANDIDA GRANULOMA WITH TRANSIENT IMMUNOLOGICAL ABNORMALITIES
東 禹彦
1
,
潮田 妙子
1
,
寺西 晴満
1
,
中野 和子
2
Nobuhiko HIGASHI
1
,
Taeko USHIODA
1
,
Harumitsu TERANISHI
1
,
Kazuko NAKANO
2
1関西医科大学皮膚科教室
2大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
2Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
pp.285-291
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201574
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20歳,女子.患者は生後7カ月頃よりカンジダ性肉芽腫に罹患し,13歳時にアンホテリシンB点滴静注療法を受けカンジダ性肉芽腫は一たん完治した.19歳時に指間,鼻背に外傷を受けてから,該部に角化性皮疹を生じ,しだいに増悪したために受診.初診時,クームス試験陽性,溶血性貧血合併,RA反応陽性,高ガンマグロブリン血症,膵炎などを認め,経過中にLEテスト,LE現象陽性などの異常所見を生じるに至つた.痂皮の機械的除去および抗カンジダ剤による治療により,ほとんどの異常所見は消失した.DNCBによる皮膚感作試験は初め陰性であつたが,後に陽性となつた.カンジダエキスによる皮内反応も,初め48時間では陰性であつたが,後に陽性となつた.これらの結果から,本例において認められた異常所見はカンジダ性肉芽腫を惹起する誘因となつたと考えるよりは,カンジダ感染によつて生じた結果と考えられる.
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