Japanese
English
原著
基底細胞癌における間質のアミロイド沈着
INTERSTITIAL AMYLOID DEPOSITS IN BASAL CELL CARCINOMA
江竜 喜史
1
,
川島 愛雄
1
,
岡田 芳子
1
Yoshichika ERYU
1
,
Yoshio KAWASHIMA
1
,
Yoshiko OKADA
1
1金沢大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
pp.105-111
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201550
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金沢大学皮膚科において昭和36年6月から同49年9月までに観察された基底細胞癌54例について検索し,11例(20%)において間質にアミロイド沈着を認めた.これら11例の全例において癌巣周囲に酸性粘液多糖類の増加を認めた.アミロイド沈着は,酸性粘液多糖類の増加と膠原線維の少量の増加を伴う例で顕著であつた.なお,エラスターゼ消化・コンゴ赤染色などを行なつたが,elastic amyloidは見い出されなかつた.上述の11例の3例において電顕的観察を行ない,定型的なアミロイド細線維が島状をなしている所見を得た.基底板近くのアミロイド細線維は基底板と接してみられた.基底細胞癌間質のアミロイド沈着の成因については,癌の持続的刺激下で間質の結合織の反応に異常をきたし,続発的に局所性にアミロイド沈着が起こると推測した.
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