Japanese
English
綜説
脂腺の生物学と病理学
BIOLOGY AND PATHOLOGY OF THE SEBACEOUS GLAND
佐藤 良夫
1
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.647-656
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201466
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脂腺の生物学
外見上は脂腺に似た器官をもつ両棲類があり,鳥類の尾腺も構造的にも脂質を分泌する点でも脂腺によく似ている1)が,真の脂腺はほとんどすべての哺乳類に認められ,毛とともに哺乳類皮膚の特長的存在をなしている,しかし脂腺の構造,分泌物の性状は,動物の種類によつて一定していない.たとえばヒトの脂腺に常に存在するグリコゲンは,わずか2,3の霊長類やウサギの白色鼠径腺にみられるにすぎない1).
脂腺をはじめて記載したのはEichorn (1826)2)である.それ以来150年近くたつた今日,脂腺に関する諸問題は相当明らかにされたが,詳細な点については不明なところも多い.その研究をおくらせている大きな理由は,技術的方法論的困難さによるものであろう.
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