Japanese
English
原著
単発性Nevoxanthoendotheliomaの1例
A CASE OF SOLITARY NEVOXANTHOENDOTHELIOMA
滝野 長平
1
,
大熊 守也
1
Chohei TAKINO
1
,
Moriya OHKUMA
1
1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University
pp.549-554
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201332
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
8カ月男児の頭頂部に生じた単発例.6カ月頃米粒大の皮疹として初発し,漸次大きさを増して初診時には超豌豆大,更に2カ月後には桜実大となり,擦過傷を受け易いため全摘出を行つた.現在まで再発ならびに他部位への新生はみられていない.臨床所見・組織学的ならびに組織化学的所見から本症と診断したが,同時に行つた電顕所見も従来の記載に一致し,主体は組織球様細胞であるがランゲルハンス顆粒・ミエリン体の欠如することが確認された,この機会に本邦報告例を通覧し,主に単発型と多発型との比較を試みたが,単発型は13例でその頻度は全体の約1/6であり,単発型の多い欧米のそれとは全く異つた傾向を示した.また発症年齢・Cafe au lait spotsならびにレックリングハウゼン氏病の合併・血清コレステロール値などの点で両者に大きな違いがみられた.従つて単発型と多発型との間にはそれらの基盤になんらかの違いがあるものと推測された.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.