薬剤
トリメチルソラーレンによる尋常性白斑の治療
戸田 浄
1
,
小堀 辰治
2
1東京逓信病院
2東京逓信病院皮膚科
pp.983-986
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201237
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尋常性白斑の治療はソラーレンの登場で,終つたかと思われていたが,その実施の困難さや薬剤の作用機序が確立されていないということも手伝つて,いまだにいろいろと議論がある.著者らは最近一年間に9例の比較的広範囲に生じた尋常性白斑患者にトリメチルソラーレン(4,5',8-trimethylpsoralen:TMP)を内服させ,その後人工光源,ブラックライトで光線照射を行いよい結果を得ているので報告する.
Fitzpatrickらによると,TMPの治療では日光が最良であるといつているが1),われわれの経験では,必ずしも日光浴の必要はなく,340nmを中心とする長波長紫外線を発生するブラックライトで充分である.このことは実験的にも裏付けすることができた.われわれの実施したこの方法は治療が簡便であり,誰にでも夜間容易に治療ができ,日中の外出も自由にでき,通勤通学をしているものも広く利用できる方法であることが最大の利点である.
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