原著
Erythrokeratodermia progressiva(進行性紅色角化症)について
堀口 峯生
1
,
安田 利顕
1
Mineo HORIGUCHI
1
,
Toshiaki YASUDA
1
1東邦大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Toho University School of Medicinc
pp.971-976
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201235
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24歳女子で4年来右下腿伸側にはじまつて両側足蹠に続発してきたerythrokeratodermiaの症例である.ほとんど自覚症状がなく,はじめは自然軽快をみ,ある時期に徐々に拡大の傾向を示したが,現在は静止の状態である.組織学的にはacanthosis,表皮突起の不規則な延長,乳頭層から乳頭下層にかけての毛細血管の拡張,蛇行,組織球を主として,円形細胞を混じた細胞浸潤であつた.
かかる症例は経験が少ないが,文献を検討して,かかる年令に発生し,進行性の経過をとり,四肢に好発しくてるものをerythrokeratodermia progressivaとして一括し,症例の増加に伴つて検討し,さらに分類されるものであるかどうかを考慮するのが妥当であることを述べた.
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