〈原著論文抄録〉
予後からみた尋常性白斑の治療成績,他
菅原 久栄
1
,
坂元 征行
1
1福島医科大学皮膚科教室
pp.291
発行日 1968年3月1日
Published Date 1968/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200306
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昭和26年からの14年間に受診した尋常性白斑患者362例中,予後の判明した242例について,予後と病巣の程度,治療,合併症,臨床症状等との関連を検討した。
このシリーズの治癒率は約20%,有効率は約50%であつた。初診時年齢では患者は若年者に多いが,若年者の予後は必ずしもよいとはいえない。病巣が小さく発生6か月以内のものは予後がよい。顔面は躯幹,四肢より予後がよい。治療は6ヵ月以内に開始し少なくとも3ヵ月以上継続すべきである。家族内発現,白毛,アレルギー関与疾患の合併は治癒率を低下させるものではない。瘙痒は先行しない方が,又オクソラレン療法では,水疱形成の有つたものの方が予後がよい。剥皮術,オクソラレン療法,硫酸鉄イオントフォレーゼ法,ヘマトポルフィリン(アロフィリン)局注療法が秀れ,これ等の間に有意差は認められなかつた。
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