〈原著論文抄録〉
Acanthosis nigricans congenitalisの2例,他
南 路子
1
,
大原 一枝
1
1関西医科大学皮膚科
pp.205
発行日 1968年2月1日
Published Date 1968/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200293
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生下時又は生後まもなくよりみとめられたAcanthosis nigricans congenitalisの2例を報告した。即ち,第1例は9歳女子。家族に同症を認めず。生下時より頸,項,腋窩,臍,外陰,肛囲,腎部,手指背に乳頭状増殖があり,皮野が粗大化し褐黒色調を呈する。頭髪は黒く濃く又,上肢は毳毛が黒くて長い。歯牙は大型で配列が乱れており,口唇,頬,舌粘膜が顆粒状,乳嘴状で深い皺襞を形成する。検査では脳下垂体がやや狭小,Thorn's Teseが軽度低下。
第2例は1歳4か月男児。肝硬変で小児科に入院中。発症の時期は母の供述がはつきりせずよくわからないが,項部から側頸,前頸にかけて,及び腋窩,両手関節背面,両足の趾背にかけて皮膚は高度の褐黒色調を呈し皮野が粗大でビロード状を呈する。
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