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I.はじめに
1896年Darierが真正皮膚結核に対し,結核疹をtuberculides cutanéesと命名してより,その後多くの臨床家において,結核疹として腺病性苔癬,壊疽性丘疹状結核疹,バザン氏硬結性紅斑,結節性結核性静脈炎,陰茎結核疹,顔面播種状粟粒性狼瘡等の病名が提唱され,これらの各症の間には移行型ならびに合併症も認められている。結核疹の1つである陰茎結核疹は欧米においては,殆どその報告がなく,陰茎に発生する変化は殆ど真正結核に属する。しかるに本邦においては真正皮膚結核を陰茎に認めた報告は殆どなく,1911年森1)に始まる陰茎結核疹は本邦人特有な皮疹の1つであることが学会において認められるに至つた。最近,欧米の文献を渉猟すると,1940年Nobl2))を始め2,3の陰茎結核疹症例の報告がある。しかし,それらの症例は壊疸性丘疹状結核疹の合併症として報告されており,本邦人にみる陰茎結核疹とは多少その趣を異にしている。ここに掲げる症例は,陰茎結核疹に,更に右下腿に限局して,個疹は壊疸性丘疹状結核疹様外観を示して,しかもその排列は線状,環状をなし,かつ索状物を触れ,更に組織的所見において血管炎と考えられる症例を得たので報告する。
During two months' course of the treatment with Maruyama vaccine in one case of 25-year-old man of penis tuberculid, phlebitis tuberculosa nodosa on the right lower leg developed.
Statistically phlebitis tuberculosa nodosa or erythema induratum Bazin accompanied with penis tuberculid shows rather unilateral localization than bilateral. Pathomechanism of its unilateral occurrence has not yet been solved.
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