Derm.2014
紙に書いて説明しよう
波多野 豊
1
1大分大学医学部皮膚科
pp.148
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104009
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自分が客としてさまざまな説明を受ける機会があるが,なかなか頭に入って来ないことが多い.例えば携帯電話料金の設定説明,レストランでの注文の仕方の説明,旅行会社での説明,銀行での説明,大学事務からの説明などなど.妻が言うように,「皮膚科以外のことは何も知らない非常識な時代遅れの人間」だからだし,歳のせいもあるだろう.説明して下さる人は,言語明瞭に,立板に水のごとく,一見(?)わかりやすそうに,自信満々に(?)説明して下さるので,益々申し訳なく身の縮む思いである.立板に水なのも当然で,担当者は毎日,毎日,同じような説明を繰り返しているのである.これに,業界用語・専門用語が混じるとお手上げである.そんなとき,患者さん達も日々同じような目に遭っているんだろうなと,ふと思う.そう考えてから,特に,アトピー性皮膚炎や円形脱毛症の専門外来では,病態や治療方針などを,特に初診の患者さんにはなるべく,重要事項は紙に書いて,時には図示しながら,説明することにしている.特に,外用剤の使用方法については,事細かに書くことがある.顔にはまずこの薬を4日間,その後はこれに変えて1週間,体は…などなど.特に,まだ外用剤による自己コントロールに慣れていない方には必須と思う.口述だけだと,患者さんは,わかったような気分になっても,十分理解できていないか,すぐ忘れるか,すぐじゃなくても日々記憶は薄れたり勘違いするようになる.まるで,いろんなところで説明を聞いたあとの私のように….
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