Japanese
English
症例報告
四肢・顔面型後天性真皮メラノサイトーシスの1例
A case of acquired dermal melanocytosis of the face and extremities
橋本 由起
1
,
清水 篤
1
,
石河 晃
1
Yuki HASHIMOTO
1
,
Atsushi SHIMIZU
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology School of Medicine Faculty of Medicine(Omori), Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
四肢・顔面型後天性真皮メラノサイトーシス
,
ダーモスコピー
,
透過型電子顕微鏡
Keyword:
四肢・顔面型後天性真皮メラノサイトーシス
,
ダーモスコピー
,
透過型電子顕微鏡
pp.971-975
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103812
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要約 25歳,女性.小児期から手背と下腿に色素沈着が出現し,5年前から色調が濃くなり拡大し,鼻翼にも同様の色素沈着が生じた.初診時,左右対称性に両側の手背,足背,前腕と下腿伸側に融合する小豆大までの淡褐色斑が多発し,鼻翼にも小褐色斑を認めた.ダーモスコピー像は不均一で境界不明瞭な粗大網目状パターンを呈した.皮膚病理組織像では表皮基底層に不連続なメラニン沈着と真皮上層にS100蛋白陽性の真皮メラノサイトとCD68陽性のメラノファージを認め,表皮突起とメラニン沈着は一致しなかった.透過型電子顕微鏡にて,真皮メラノサイトとメラノファージを確認したが,後者のほうが多く存在した.これらの臨床組織学的所見より,四肢・顔面型後天性真皮メラノサイトーシスと診断した.本疾患はいまだ報告は少ないが,報告例はいずれもきわめて特徴的な臨床像を呈し,一部に家族内発症を認めることから独立した遺伝性疾患の可能性が考えられた.
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