Japanese
English
症例報告
悪性黒色腫を思わせた乳癌皮膚転移の1例
A case of cutaneous metastatic breast carcinoma simulating malignant melanoma
福原 麻里
1
,
早川 和人
1
,
塩原 哲夫
1
,
藤野 節
2
Mari FUKUHARA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Takashi FUJINO
2
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学病理部
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
2Department of Pathology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
乳癌皮膚転移
,
melanocyte colonization
,
免疫組織化学染色
,
増殖因子
Keyword:
乳癌皮膚転移
,
melanocyte colonization
,
免疫組織化学染色
,
増殖因子
pp.921-924
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101795
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要約 64歳,女性.17年前に乳癌の手術歴がある.左胸部の植皮部周囲に生じた色素斑を主訴に来院した.当初は悪性黒色腫を疑ったが,病理組織学的所見では表皮直下から真皮中層にかけて異型性のある腫瘍細胞が増殖し,ところどころで胞巣や管腔を形成していた.表皮直下には多数のメラノファージを認め,腫瘍巣内にはメラノサイトが増生していた.腫瘍細胞はCK7陽性,CK20陰性,エストロゲンレセプターおよびプロゲステロンレセプター陽性で,S-100蛋白,HMB45,MART-1はいずれも陰性であり,乳癌の皮膚転移と診断した.乳癌の手術後14~15年経て転移をきたすことは珍しく,しかも転移巣内にメラノサイトの増生を認めたことが特異な臨床像をもたらしたと考えた.特異なメラノサイトの増生と遅発性転移を起こした機序について,若干の考察を加えた.
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