Japanese
English
特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003
2.皮膚疾患の病態
PXE(pseudoxanthoma elasticum)の遺伝子異常
Gene abnormality in PXE (pseudoxanthoma elasticum)
多島 新吾
1
Shingo TAJIMA
1
1防衛医科大学校皮膚科
1National Defense Medical College,Depertment of Dermatology
キーワード:
Pseudoxanthoma elasticum
,
エラスチン
,
ABCC6
,
MRP6
Keyword:
Pseudoxanthoma elasticum
,
エラスチン
,
ABCC6
,
MRP6
pp.59-63
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101233
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Pseudoxanthoma elasticum(PXE)は皮膚症状,眼症状,心血管障害を示す優性あるいは劣性遺伝性疾患である.病理組織上,弾力線維の変性およびカルシウム沈着を認める.この所見より責任遺伝子は弾力線維にかかわる結合組織蛋白の遺伝子と考えられていたが,近年,細胞内物質輸送に関与する膜蛋白であるABCC6(MRP6)遺伝子に異常を認めることがわかった.ABCC6蛋白の機能あるいは何が基質になるかは現時点でよくわかっていない.おそらくABCC6の基質になる物質の輸送異常が生じ,そのためにその物質の代謝異常により正常な弾力線維を形成できず,カルシウム沈着を生じると考えられる.ABCC6遺伝子異常が弾力線維の断裂,沈着,あるいはカルシウム沈着とどのようにかかわっているか今後の問題である.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.