強皮症を合併したKlinefelter症候群に生じた難治性下腿潰瘍の1例

A case of intractable leg ulcer occurring in a patient with Klinefelter syndrome associated with scleroderma

56歳，男性．3年前より左下腿外果部に潰瘍が出現し，植皮術を施行したが完治せず，再発を繰り返していた．入院精査にて精神遅滞，左右精巣の小指頭大と萎縮があり，染色体検査にて核型48，XXYY/47，XXYを検出し，Klinefelter症候群と考えた．また手指と下肢の硬化，抗セントロメア抗体，抗核抗体が認められ，全身性強皮症(SSc)を合併していた．以上よりSScを伴ったKlinefelter症候群に合併した下腿潰瘍と診断した．ワーファリン^(R)の内服と潰瘍部のデブリドマン，ラップ療法により良好な肉芽形成がみられ，潰瘍の縮小がみられている．