Japanese
English
症例報告
前立腺癌のホルモン療法中に出現した黒色表皮腫の1例
A case of acanthosis nigricans presented due to hormone therapy of prostatic cancer
渡辺 裕美子
1
,
安念 美雪
1
,
山田 裕道
1
Yumiko WATANABE
1
,
Miyuki ANNEN
1
,
Hiromichi YAMADA
1
1国際親善総合病院皮膚科
1Department of Dermatology,International Goodwill Hospital
キーワード:
黒色表皮腫
,
ホルモン療法
,
薬剤性
Keyword:
黒色表皮腫
,
ホルモン療法
,
薬剤性
pp.1130-1132
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101080
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75歳,男性.2002年7月,前立腺癌と診断されLH-RH誘導体である酢酸リュープロレリン皮下注,黄体ホルモンである酢酸クロルマジノン内服にて治療が開始された.その後合成エストロゲンであるホスフェストロールを投与したところ,約2か月後に両側乳頭,乳輪部の黒色変化が出現したため受診した.初診時,両側乳頭・乳輪部に境界明瞭で黒褐色の乳嘴状角質増殖を認め,両側腋窩にも黒褐色の色素沈着と皮膚の粗造化がみられた.組織学的には乳輪部の表皮は乳頭腫状で角質が肥厚し,基底層のメラニン顆粒が増加していた.臨床所見,病理組織所見より黒色表皮腫と診断した.悪性型との鑑別を要したが,前立腺癌に対するホルモン療法の経過より,薬剤性黒色表皮腫と診断した.
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