Japanese
English
症例報告
胃癌に伴う黒色表皮腫とLeser-Trélat徴候の合併例
Acanthosis nigricans and Leser-Trélat sign associated with gastric cancer
市川 健
1
Takeshi ICHIKAWA
1
1市立甲府病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kofu Municipal Hospital
キーワード:
胃癌
,
黒色表皮腫
,
Leser-Trélat徴候
,
脂漏性角化症
,
老人性疣贅
Keyword:
胃癌
,
黒色表皮腫
,
Leser-Trélat徴候
,
脂漏性角化症
,
老人性疣贅
pp.1058-1061
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101064
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要約 74歳,男性.初診2か月前より,両下腿を中心にそう痒感を伴わない褐色の小結節が増加してきた.同時期に息切れ,立ちくらみが生じ,Hb値の低下もみられ,精査の結果,胃癌が発見された.両下腿~足背部と両手背部に,小指頭大までの淡褐色~茶褐色の扁平角化性小結節が多数あり,また,両腋窩,鼠径部には角化性でやや粗ぞうなビロード状外観の褐色斑状皮疹が存在する.同様の皮膚病変は臍周囲,腰背部にも軽度認められた.両手掌,足底には灰白色の鈍い光沢の絨毛状角化性局面がみられる.病理組織学的に腋窩は黒色表皮腫,また下腿は脂漏性角化症の像であり,約2か月間で急速に増加したことよりLeser-Trélat徴候と考えた.胃全摘術を施行し,poorly differentiated adenocarcinoma,StageⅢAと診断された.術後2か月頃から,黒色表皮腫とLeser-Trélat徴候はいずれも次第に軽快しつつある.悪性黒色表皮腫とLeser-Trélat徴候の合併例は稀である.
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