連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 1.外来診療のコツ
③鼻診察のコツ
足川 力雄
1
1東京厚生年金病院耳鼻咽喉科
pp.214-219
発行日 1998年3月20日
Published Date 1998/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901744
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はじめに
私の恩師佐藤重一先生は,鼻疾患患者の診察時に必ず後鼻鏡を使用して,CTはもちろん,断層撮影もほとんど使用できない昭和27〜28年頃でも,鼻副鼻腔を前後より見ておられ,それに何気ない問診を追加されて腫瘍,結核,ゴム腫,進行性鼻壊疽などを的確に診断され,大いに感銘を受けたものである。
ことに微熱を主訴として来院した患者に対し,この中鼻甲介の光沢は「スポガン」のごく初期の所見,と診断され結核を否定するために内科受診を指示されたが,患者が希望せず外来担当医もそのままにしたところ,約1か月後に中等度の発熱をきたして入院してきたことは忘れられない。
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