連載エッセイ 【Klein aber Mein】・12
呼吸困難について/鼻呼吸について
浅井 良三
1,2
1神戸大学
2兵庫医科大学
pp.644-646
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901171
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日常我々が患者を迎えた時まずその愁訴を聞く,つづいて発症の模様を聞く。それから診察,検査をして,更に症状について必要な補充すべきを聞き検査をすすめる。症状,これは患者の主観的な訴えであり,所見,これは医師の診察検査などで得た他覚的な情報である。所見により症状を説明し理解し,かくて病態を知り鑑別すべき疾病を検討し診断が決定する。これが一般に行われる診断の順序である。このような診断法を私は解析的診断法と呼ぶ。
診断法にはこのほか直観的診断法,治療による診断法,除外法的診断法などがある(表1)。医師にとっても患者にとっても直観的診断が最も望ましいが,これは経験豊かな医師に属するのである。むしろ解析的診断法が本筋であって最も誤ちの少ない診断法である。他の二つはむしろ例外とも云うべきである。
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