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第2回日本台湾耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会は平成5年(1993)12月2日,3日の両日にわたって台湾大学医学院で開催されました。記念すべき第1回は横浜国際平和会議場で澤木修二(横浜市立大教授)会長が平成4年(1992)1月29日,30日に開催されていますので,実質的には2年ぶりの開催ということになります。本会発足の経緯については,第1回の演題プログラムの中で澤木会長が述べておられますように,先生のライフ・ワークとされてきた上咽頭癌の研究を通して,長年お世話になった台湾の先生方に,先生の退官を契機に感謝の意を捧げたいと願い企画され,台湾大学の先生方と相談の上,発足しています。同時にそれまで過去2回開かれた日・台音声外科懇話会を継承し,しかも内容もこの二つの課題に限定せず,広く耳鼻咽喉科学全般を対象とした日・台耳鼻咽喉科学会として発足しております。これを引き継いで開催された第2回学会のビジネス・ミーティングでは,会長の謝地教授(台大)の提案で開催は2年毎に,双方交代で定期的とすることが確認され,名称も日・台(中華民国)耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(中華民国・日本耳鼻咽喉頭頸外科医学会学術講演会)となり,その名称にふさわしい盛り沢山の内容のある会に成長しました。今回の正式登録参加者は日本側95人,台湾側163人,計258人でした。プログラム内容を前回と比較してみますと一般演題数は91題(日本58題,台湾33題)他,特別講演3題,シンポジウム2題で前回は一般演題数73題(日本51題台湾22題),特別講演2題となっています。今回特筆すべきは,日本から多数の教授が出席・発表され,台湾の多くの会員に多大な感銘を与えたことだと思います。それもそのはず,日本の学会で,これだけ多くの日本の教授が一度に発表されることは皆無とも言えることですから,日・台の学術交流に及ぼした効果は抜群と思われます。筆者にとっては初めての台湾渡航でもあり,実に印象的な学会でした。双方の学術的進歩と友好関係に貢献する本会の益々の発展を心から祈念するものです。
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