鏡下咡語
Sir John C.Ecclesのサイン
市川 銀一郎
1
1順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.74-75
発行日 1992年1月20日
Published Date 1992/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900489
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いささか旧聞に属するが,1990年11月9日に日本学術振興会主催によるJohn C.Eccles卿の特別講演,Theultimate human problem:our mind with our brain(人類の究極の問題:脳を持つ心)を聴講した。
エックルス卿は1903年ナーストラリア,メルボルンに生まれた。丁度米寿の歳にあたる。卿は近代的な神経生理学の開拓者であり,特に神経シナプスには興奮性のものの他に抑制性のものもあることを発見した。また脳と心の関連について大変ユニークな学説を発表してきた。1963年,神経細胞のシナプスに関する研究が評価されノーベル医学生理学賞を受賞している。わが国の学会にも多大な影響を与え,1986年(昭和61年)勲二等を授与された。
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