増刊号 術前画像と術中解剖—カンファレンスで突っ込まれないための知識〔特別付録Web動画〕
1.耳領域
耳小骨奇形・連鎖離断に対する手術
田中 康広
1
1獨協医科大学埼玉医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
キヌタ・アブミ関節
,
伝音難聴
,
側頭骨CT
,
耳小骨形成
,
先天性真珠腫
Keyword:
キヌタ・アブミ関節
,
伝音難聴
,
側頭骨CT
,
耳小骨形成
,
先天性真珠腫
pp.30-35
発行日 2021年4月30日
Published Date 2021/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202672
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Point
●耳小骨奇形はツチ骨またはキヌタ骨の固着(以下,固着型),キヌタ・アブミ関節の離断(以下,離断型),アブミ骨固着の3つに分類される1).固着型の診断は画像では困難な場合が多いものの,ツチ骨またはキヌタ骨と上鼓室の骨壁との間で起こることが多く,術中に同部を注意深く観察し,可動性を確認する.
●離断型はキヌタ・アブミ関節に離断を生じることが多く,術前の画像にて同部に焦点を当てた観察が必要であり,キヌタ骨長脚やアブミ骨上部構造の残存度により耳小骨形成の方法が異なるため,術中にキヌタ骨,アブミ骨の状態を見極めて術式を選択する.
●耳小骨の連鎖離断があり耳小骨奇形が疑われても,鼓室内にわずかな軟部陰影を認めた場合には先天性真珠腫による骨破壊の可能性があるため,常に先天性真珠腫の存在を念頭に置いて画像診断を行う.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年4月)。
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