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特集 知っておきたい麻酔の知識
高齢者への麻酔の特徴と注意点
Anesthesia considerations for geriatric patients
小倉 信
1
Makoto Ogura
1
1東京都健康長寿医療センター麻酔科
pp.524-529
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201758
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POINT
●高齢者は,安静時の生理機能が保たれていても,運動や侵襲など負荷時の機能増加分が不足する場合が多い。手術時はこの予備能を評価することが重要である。
●高齢者では,症状がはっきり現れていなくても心疾患や呼吸器疾患が隠れていることがあるので,積極的に心臓超音波検査や呼吸機能検査を行うべきである。
●高齢者における麻酔薬の必要量は,成人に比べておおむね少ない。
●認知症患者では日常生活動作(ADL)が低いうえ,訴えが不正確なため術前評価が困難である。さらに,術後せん妄のリスクが高く,疼痛管理はおろそかにすべきではない。
●術後せん妄は,認知症患者に限らず高齢者に多く,予防が重要である。
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