増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅲ.口腔咽頭・唾液腺の手術
中咽頭がんに対する手術
菅澤 正
1
1埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科
pp.159-162
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200604
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はじめに
中咽頭がんの治療体系は,近年大きく変化している。従来の手術主体の治療から,化学放射線療法(chemo-radio therapy:CRT)に移行しており,治療後の機能についてもその優位性が示唆されている1)。また,human papilloma virus(HPV)関与の中咽頭がんは増加しており,わが国でも50%に達している2)。HPV関与の中咽頭がんは治療によく反応することが知られており3,4),CRTが選択されることが多いが,非関与癌では当科のデータでもCRTによる制御率は有意に低く,手術治療は初回治療として一定の意義を有している。
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