増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅰ.耳・側頭骨
耳管疾患
福井 英人
1
,
土井 直
1
1関西医科大学附属枚方病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
pp.68-74
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102810
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
画像診断の狙い
耳管は中耳と鼻咽腔をつなぐ唯一の交通路であり,主に中耳における換気,異物の排除,病原体からの防御の機能をもち,これらの機能が障害されることにより真珠腫性中耳炎などのさまざまな中耳疾患が誘発される。この耳管機能障害としては,①耳管開放症,閉鎖不全耳管,②フロッピーチューブ,③耳管の器質的狭窄もしくは耳管閉塞の3つが挙げられる1)。この病態把握のために耳管の機能や形態を評価することは非常に重要であるが,頭部深部で頭蓋底を走行するため耳管咽頭口以外,耳管自体を直接,観察することは容易ではない。さらに解剖学的にも小さな器官でもあり,その生体における形態学的な研究は困難であった。昨今の画像診断技術のめざましい進歩に伴い,次世代CTやMRIが開発され,組織像にも迫る画質が得られるようになってきた。そこで本稿では耳管疾患の画像診断について述べる。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.