特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方
Ⅲ 夜間・救急外来での疾患鑑別法
咽頭痛
梅野 博仁
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
pp.112-115
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102459
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Point
◆咽頭痛を訴える疾患で,発熱の有無は疾患の鑑別に有用である。発熱がある疾患の多くは感染症であり,発熱がない疾患の多くは感染症ではないか,感染症であっても感染のごく初期か軽度の感染と考えてよい。
◆咽頭の視診所見で疾患のおおよその鑑別が可能である。咽頭粘膜・口蓋扁桃の所見は発赤・腫脹・膿栓付着,小水疱・アフタ形成,偽膜形成,びらん・潰瘍・腫瘍形成,異物の存在,所見に乏しい,に分類すると疾患の鑑別が行いやすい1)。
◆主訴が咽頭痛であっても喉頭所見を見落としてはならない。急性喉頭蓋炎の主訴で最も多いのは咽頭痛である2)。
◆緊急処置が必要な疾患の多くは扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽頭異物である。扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍では切開排膿術が,急性喉頭蓋炎による呼吸困難では気道確保が,咽頭異物では異物摘出術が緊急処置として必要となる。
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