特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅰ.こどもの診療NAVI
4.こどものアレルギー性鼻炎
岡野 光博
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
pp.23-28
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102127
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Ⅰ 疾患についての概説
アレルギー性鼻炎は,発作性反復性のくしゃみ,水性鼻漏,鼻閉を3主徴とするⅠ型アレルギー疾患であり,この点では小児も成人も同様である。有病率の増加が問題となっており,特に小児スギ花粉症で著しい。耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした全国疫学調査では,1998年でのスギ花粉症の有病率は0~4歳で1.7%,5~9歳で7.2%,10~19歳で16.7%であったが,2008年では0~4歳で1.1%,5~9歳で13.7%,10~19歳で31.1%となった。5~9歳では倍増し,10歳代では成人と同等の有病率を示す。
アレルギー性鼻炎では吸入アレルゲンに対する感作が必須である。遺伝的素因および環境要因の両者が寄与する1)。抗原感作率も急増している。アレルギー児においては3歳以上で半数以上がスギおよびダニへの感作を示し,非アレルギー児においても思春期には50%前後の感作がみられる2)。
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