特集 耳管のすべて
耳管開放症の最新情報 耳管開放症の漢方治療
竹越 哲男
1
,
小暮 敏明
,
齋藤 晶
,
大田 重人
1竹越耳鼻咽喉科医院
キーワード:
高アルドステロン症
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
治療成績
,
八味地黄丸
,
補中益気湯
,
証
,
耳管開放症
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Hyperaldosteronism
,
Administration, Oral
,
Treatment Outcome
,
Hachimijiogan
,
Bu-zhong-yi-qi-tang
pp.488-490
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019197211
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耳管開放症は耳管の問題のみならず、全身状態が"虚している"ことも影響しており、漢方が有効な疾患である。耳管開放症診断基準の一つに「臥位または前屈で症状が軽快する」という項目があり、これは頭部の位置を下げることで頭部への血流が増加し、耳管が開放しにくくなるためである。よって治療は頭部への血流を増加させることが一法となる。補中益気湯は脳血流低下による起立性調節障害に効果があり、頭部への血流増加が期待できる。そこで今回、耳管開放症患者24例に補中益気湯を試用した。結果、治療効果は「症状消失」が7例(29%)、「症状改善」が16例(67%)、「不変」が1例(4%)で、悪化した症例はなく、有効率は95.8%であった。症状改善を自覚した時期は、内服開始後1週間以内が10例、2週間以内が5例、1ヵ月以内が3例、数ヵ月後が3例であり、約7割の症例が2週間以内に自覚していた。
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