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特集 知っておきたい皮膚科の知識―専門医の診方・治し方
アトピー性皮膚炎
Atopic dermatitis:clinical and pathologic concepts and treatment plan
窪田 泰夫
1
Yasuo Kubota
1
1香川大学医学部皮膚科
pp.903-906
発行日 2011年11月20日
Published Date 2011/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101993
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Ⅰ.病態理解のポイント
アトピー皮膚炎(AD)は表皮のバリア障害をもとに,さまざまな因子による非特異的刺激反応やアレルギー性炎症反応を皮膚に生じる慢性,再発性の掻痒性皮膚疾患である。小児の15~20%,成人では2~10%の頻度でみられる。
病因発症機序:アレルギー性炎症とバリア障害の相互作用により病態形成される。即時相,好酸球性炎症による遅発相,接触性過敏反応による遅延相など,各種のアレルギー性炎症反応が想定されている。角層バリア機能に重要なフィラグリンの遺伝子変異がAD患者において発見された1)。バリア機能障害により外界からの抗原刺激の経皮侵入が容易となりアレルギー性炎症反応を惹起しやすくなる。
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