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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―外来手技とインシデント・アクシデント
3.穿刺吸引細胞診,頸部リンパ節生検
3.Fine needle aspiration cytology in head and neck mass and open biopsy of cervical lymph node
古川 まどか
1
,
古川 政樹
2
Madoka Furukawa
1
1神奈川県立がんセンター頭頸部外科
2横浜市立大学附属市民総合医療センター医療情報部
pp.827-835
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101511
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Ⅰ.はじめに
頸部腫瘤性疾患の診断は,問診,触診,画像診断などの非観血的な方法から始める。内視鏡や超音波診断,PET-CTといった画像診断をはじめとするさまざまな診断技術の普及により,頭頸部領域の原発巣診断や,頸部腫瘤性疾患の診断推定は以前より容易となった。しかし,これら非観血的な方法で診断がつかない場合や推定される診断を最終的に確定するためには,診断時期を失しないように穿刺吸引細胞診の速やかな実施が必要になる1~3)。さらに,リンパ節疾患のうち,穿刺吸引細胞診でもどうしても確定診断に至らない例や,悪性リンパ腫のように,確定診断をつけるために免疫組織学的検査を含めた組織診断が必須の疾患が疑われる場合には頸部リンパ節生検が必要となる4)。
一方,穿刺吸引細胞診や頸部リンパ節生検は,インシデント・アクシデントの危険性を常に伴う侵襲的検査なので,いきなりこれらの手技を施行することは避けるべきで,適応は厳密にしなければならない。外来で穿刺吸引細胞診やリンパ節生検を施行する際は,患者が不安なく検査を受け安全に帰宅できること,可能な限り1回の検査で,確実な情報を得られるようにすることが求められる。
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