特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
1.聴力とめまい 2)人工内耳―小児
熊川 孝三
1
,
射場 恵
1
,
小山 由美
2
1虎の門病院耳鼻咽喉科・聴覚センター
2慈生会病院リハビリテーション科
pp.77-83
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101084
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Ⅰ はじめに
小児の人工内耳装用者のハビリテーションが,成人装用者のそれと根本的に異なる点として,以下の項目が挙げられる。
(1)言語発達段階や全身的な発達状態を含めて考えることが前提である。
(2)装用児と養育者,両者への指導が不可欠である。
(3)ハビリテーションの内容や目的が年齢や装用期間などに応じて変化する。
(4)聴取成績の向上のみならず,コミュニケーション能力・言語力の向上が最終目的となる。
(5)そのため病院だけでは不十分で,療育・教育機関との連携が不可欠である。
一般的な人工内耳装用児のハビリテーションの流れおよび役割分担を図1に示した。スタッフとして言語聴覚士が担う役割は多岐にわたる1)が,技術的な重要ポイントは,
・術前からのかかわりと評価
・養育者の指導(カウンセリングを含む)
・適切な人工内耳マッピングを行うこと
である。ここでは,耳鼻咽喉科の専門医として言語聴覚士との共生に必要な知識について述べる
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