鏡下咡語
手軽に育ついやし系野草
中野 雄一
1
1新潟大学
pp.290-292
発行日 2004年4月20日
Published Date 2004/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100563
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いやし系という定まった草花があるわけではない。私が勝手にそう呼んでいるだけである。考えてみれば,草花は見る人によって,それはすべていやし系となる。そんな中から手軽に育てられ,長く花を楽しむことができる野草と草花を選んでみた。すべて鉢植えで育てることができ,身近に置くことのできる品種である。それはコマクサ,フウロソウ,ベコニアの3種である。
コマクサは高山植物で,最初にこの花を見たのは蔵王山であった。たしか山頂近くの荒涼とした砂礫地で付近には緑が何もなかったように思われる。印象に残ったのはやはり花の形で,その姿にびっくりしたが,紅色のほどの良さに魅せられた。その姿とは,花が馬の鼻面に似ていることで,この花の蕾が子馬の顔に似ていることからコマクサ(駒草)と名づけられたという。
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