特集 聴力改善手術
2.慢性中耳炎
1)慢性化膿性中耳炎 (2)鼓室形成術 ③Ⅲ-i型
小島 博己
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.61-65
発行日 2005年4月30日
Published Date 2005/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100116
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Ⅰ.手術概念
日本耳科学会が2000年に新たに耳小骨形成の分類を行い(「伝音再建法の分類と名称について」),この新基準では20年以上にわたり使用されてきた従来のⅢ型およびⅢ型変法と称されていたものが1)Ⅲ-c(tympanoplasty typeⅢ with columella),Ⅲ-i(with interposition),Ⅲ-r(with reposition)およびⅢ型の4つに明確に分類された2)。
Ⅲ型はアブミ骨上部構造に連鎖再建をする耳小骨形成手技であり,アブミ骨の上部構造を利用し,この上に連鎖を再建し伝音効果の増大を図るものである。本章ではⅢ-iについて述べるが,Ⅲ-iとはアブミ骨とツチ骨との間もしくはアブミ骨とキヌタ骨の間に挿入(interposition)する耳小骨形成であり,malleus Incus assembly,malleostapediopexy,またincusを挿入するのでincus interpositionなどと呼称されるのがこれに相当する2)(図1)。
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