特集 眼窩腫瘍
眼窩腫瘍と形成外科
酒井 成身
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院形成外科
pp.1674-1680
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907981
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
眼窩部の腫瘍は眼窩と眼瞼に広がる腫瘍もあり,悪性腫瘍の切除後に眼窩部の形成を必要とすることが多い。眼球内容除去後や眼窩内容除去後は眼窩部が陥凹し,拘縮を起こし,結膜嚢が非常に小さく義眼を装着できない場合が多い。また義眼が装着できても,眼窩部全体が陥凹していて左右非対称の状態であれば,これらを修正する手術が必要となる。特に眼窩部の悪性腫瘍切除後に放射線治療がなされた場合は眼窩部の萎縮,瘢痕拘縮は著しい。
幼少時に眼球摘出が行われた場合は義眼台や義眼を挿入しないで放置すると眼窩の発育は健常側に比して不良で,かつ小児期に成長とともに義眼を更新しなかった場合も更新がなされた例よりも成長は遅れ変形をきたす1)。したがって眼窩部腫瘍切除後は何らかの処置を施し義眼を装着できるようにし,また義眼装着部が左右対称となるように形成しなければならない。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.