特集 眼窩腫瘍
序説 眼窩腫瘍を特集するにあたって
水流 忠彦
1
1自治医科大学眼科学講座
pp.1641-1642
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907975
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眼窩疾患は,角結膜疾患や緑内障,白内障,あるいは網脈絡膜・硝子体疾患とは異なり,比較的頻度の低い疾患である。しかし,眼窩疾患は眼球突出,眼球偏位,複視,眼瞼下垂などの諸症状を引き起こすのみならず,診断や治療が遅れると重大な視機能障害を残したり,場合によっては患者の生命に危険を及ぼすこともある。その点では,頻度は低いとはいえ,眼窩疾患の重要性は他の眼疾患に勝るとも劣らぬのものがある。しかしながら,眼窩疾患の診療では他の眼疾患とは異なる診断法や治療法あるいは臨床経験が必要となる場合が多く,実際に患者を前にして診療に苦慮することが少なくない。
眼窩疾患には,炎症性疾患,外傷,先天異常,内分泌性疾患,腫瘍性疾患などがあるが,本特集では眼窩腫瘍に的を絞ることにした。そこで,大西克尚先生には「眼窩腫瘍の疫学」を,八子恵子先生には「眼窩腫瘍の画像診断」を,辻 英貴先生には「眼窩腫瘍の保存的治療」を,安積 淳先生には「眼窩腫瘍の外科的治療」を,酒井成身先生には「眼窩腫瘍の形成外科」の各項目のご執筆をお願いした。
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