特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
1.診断に必要な基本技術
眼疾患の診断に関する基本の知識
未熟児網膜症の程度判定基準
鎌田 裕子
1
,
東 範行
1
1国立小児病院眼科
pp.138-140
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907050
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
未熟児網膜症は発達途上の網膜血管に起こる増殖疾患である。最周辺部への血管の成長が完了するのは満期の40週ころなので,未熟児で出生した場合,網膜血管は発育途上である。未熟な細胞のある成長の先端部で,異常方向に成長や増殖を始めるのが網膜症の本能である。網膜症の発生頻度や程度に最も大きく関与する因子は網膜血管の未熟性であり,一般的に修正在胎週数,出生時体重が少ないほど重症の網膜症となることが多い。さらにその発症に関与する危険因子として,呼吸窮迫症候群,無呼吸発作,敗血症,脳室内出血などの全身状態の異常が挙げられる。酸素投与は発症の直接の原因ではないが,網膜症を悪化させる要因である。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.