連載 他科との連携
虎の穴の3日間
笹本 洋一
1
1北海道大学医学部眼科学教室
pp.1482-1483
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906964
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医局長が私のところに来た。編集室から「他科との連携」という原稿の依頼が来たが,忙しいので代わりに書いてくれということである。簡単に引き受けて,依頼書を見てみると,締め切りはとっくに過ぎていた。他科との連携といっても,眼科は体のごく一部しか診察していないわけだから,眼以外のことは,ほとんど他科にお任せ状態である。他科との連携どころか,他科にご挨拶まわりしなくてはいけないほどである。あれこれ考えても,何を書くべきか名案が浮かばない。そこで,ちょっと視点を変えて,私が参加した『地獄の特訓,虎の穴3日間コース』について述べることにする。
正式名称は,「北海道大学医学部学生教育ワークショップ」というもので,名称からは,われわれ臨床医にとってはさっぱり見当がっかないしろものである。私の医局では,過去に2人の教官が参加していて,私が第3番目であった。教授から,私のところへ参加案内が回ってきた。過去の参加者によると「不幸の手紙が来ましたね」と言う。とにかく,外来診療も手術も離れて,3日間は缶詰めになるというので,病棟医長の仕事を放り出して参加することにした。会場が札幌の奥座敷,定山溪温泉というので,温泉に入ってのんびりできるかなと,少しは期待感も持っていた。
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