眼科検査法についての私の考え
ドットカードの誕生
森實 秀子
1
1もりざね眼科
pp.248
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906126
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小児眼科が大好きな私にとって,夏休みは患者さんとの出会いの貴重な時であり,長編小説を読むような長い経過を診せていただく,感動の時である。にもかかわらず1987年8月,私どもはスペインへ旅に出た。この旅は,あとでわかったことだが,子育て時代の最後の家族旅行であり,さらに私どもにドットカードを作り出すチャンスを与えた旅であった。
私どもが帰路についた時,航空会社のover-bookingのため,思いがけずもファーストクラスでオランダ経由という,リッチで長い空の旅を頂いた。ドットカードはこの長い特別席の上で考えついたものだ。隣には当時,眼科学には素人の理工科畑の夫がいた。旅先での諸々の話や家族の話はやがて尽きて,話題はいつのまにか子供の視力評価方法に発展した。当時はまだテラーカードが容易に入手できない事情もあり,3歳以下の子供でもわかる,シンプルで手軽な視力評価方法はないものかという話になった。
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