特集 眼科検査法を検証する
Ⅲ.緑内障
視野検査
吉富 健志
1
1北里大学医学部眼科学教室
pp.110-113
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906081
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緑内障診断にとっての視野検査の重要性はいまさら言うまでもないが,自動視野計の発達に続いて,さまざまな特徴をもった視野計が登場してきた。これらの視野検査(High-Pass resolution Perimetry, Blue on Yellow Perimetryなど)は,形態覚の閾値や青錐体系の反応を測定することを目的として開発されたものであり,通常の閾値視野測定とは異なる情報が得られるとして注目されている。しかし,これらの特殊な視野計は通常の視野計と比べると蓄積されたデータは少なく,評価も完全に定まっているとはいいがたい。まだ「検証中」の検査であるといえよう。このように網膜の特定の機能を分離して測定しようという試みの他にも,従来の静的自動視野計を改良する研究も行われており,ハンフリーSITAプログラムのように正確な閾値を,より短時間で測定しようという自動視野計のプログラム開発も行われ,患者の負担を軽くする努力が続けられている。また,人間ドックなどのスクリーニングの場で,緑内障患者を効率よく発見するための機器の研究も行われている。このように緑内障の視野計測は診断ばかりでなく,さまざまな角度から検討されている。
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