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連載 今月の話題
コンタクトレンズ装用者の巨大乳頭性結膜炎にみられる瞼結膜乳頭所見
Palpebral conjunctival papillary changes of giant papillary conjunctivitis in contact lens wearers
﨑元 卓
1
Takashi Sakimoto
1
1日本大学医学部附属練馬光が丘病院眼科
pp.1647-1649
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905052
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はじめに
近年,コンタクトレンズ(contact Iens:CL)の種類や材質,クリーニングや消毒法が新しくなるにしたがい,発生するCL眼障害はますます多彩となり,その数も著しく増えている。この20年を振り返ってみると,PMMA (polymethyl metha—crylate)ハードコンタクトレンズ(hard CL:HCL)の時代には眼障害は角膜のびらんあるいは浮腫が主体であった。次いでHEMA (hydroxyethyl methacrylate)を素材とするソフトコンタクトレンズ(soft CL:SCL)が出現して角膜潰瘍の危険性が問題となったが,これらの発生率はさほど多いものでなかった。しかし,その後開発された連続装用CL,高酸素透過性CLの普及は重篤あるいは中程度の角結膜障害を著しく増加させている。すなわち,角膜実質への細胞浸潤の多発と瞼結膜への巨大乳頭性結膜炎(giant papillaryconjunctivitis:GPC)の急増である。それはとりもなおさず装用後短期にしてみられるCL材質の劣化が原因であり,特に最近のCL装用者にみられるGPCはあまりにも頻度が高い。これは明らかにCL材質の酸素透過性の追求のなかで起きた“DK値戦争”に起因するものであろう。「酸素を通すCL,目にとって良いCL」などの表現は「1年前後までは」と期限付きで用いられるべきで,SCL同様にHCLの汚れ,劣化も予想外に早くきている。
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