Japanese
English
連載 眼の組織・病理アトラス・109
角結膜類皮腫とGoldenhar症候群
Limbal dermoid and Goldenhar's syndrome
猪俣 孟
1
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.1734-1735
発行日 1995年11月15日
Published Date 1995/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904662
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角結膜類皮腫(角膜輪部デルモイド) limbaldermoidは,結膜腫瘍および腫瘍状病変のうち,母斑細胞性母斑に次いで多く,しかも10歳以下の子供ではもっとも高頻度にみられる病変である。主として外側角膜縁に小さな半球状の腫瘤としてみられ,半分は結膜側に,他の半分は角膜側にまたがって存在する(図1)。表面には毛が生えていることが多い。
角結膜類皮腫は,第一および第二鮒弓bran—chial archの異常発育が原因で,その約30%は全身の発育異常を伴う。角結膜類皮腫に,眼瞼欠損(図2),無虹彩,過剰耳(図3),耳瘻,顎顔面骨形成異常などを伴うものをGoldenhar症候群Goldenhar's syndrome,または眼・耳・脊椎形成異常oculo-auriculo-vertebral dysplasia syn—dromeと呼ぶ。Goldenhar症候群は,あざらし症(サリドマイド児) phocomeliaにみられることもあり,妊娠の第6週ないし第7週頃に母親が感染症に罹患したり,薬物を使用することによってこれらの異常が発生する可能性が指摘されている。
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