今月の表紙
黄斑円孔と囊胞様腔
山口 純
1
,
坂本 泰二
2
1北里大学病院
2鹿児島大学
pp.309
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215117
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- 文献概要
症例は75歳,女性。2〜3日前から左眼の変視を自覚したため前医を受診。黄斑円孔の診断で手術目的のため当院へ紹介受診となる。当院初診時における左眼の所見は,矯正視力0.3,眼圧13mmHg,軽度白内障と黄斑円孔を生じていた。光干渉断層撮影でGass分類のステージ3と診断した。白内障・硝子体同時手術を行い,術後1か月の時点で黄斑円孔は閉鎖し,経過は良好であった。
撮影にはトプコン社製DRI OCT Tritonを用いた。写真上段は,囊胞様腔の全体像を記録するために,スキャンパターン「3D黄斑(H)」で撮影したデータをen face表示したものである。網膜色素上皮層を基準面として深さ方向を調整し,円孔を中心に花冠状に広がる囊胞様腔が画像として大きく得られる位置で表示した。撮影時の注意点として,画像の乱れが起きないよう,患者に瞬目や固視について説明し,撮影の際は適宜声かけをした。下段のBスキャン画像は「5ラインクロス」で撮影したもので,後部硝子体膜や蓋の位置関係を記録するためにZ軸方向の調整を行った。
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