増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
1 眼瞼・結膜
眼瞼・結膜色素沈着
兒玉 達夫
1
1島根大学医学部附属病院 先端がん治療センター
pp.34-39
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214144
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クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント
眼腫瘍の経験が少ない一般クリニックでは,前眼部色素性病変に正確な診断をつけるのは困難なことが多い.眼腫瘍の専門家でも臨床診断を間違うことがある.大切なことは眼腫瘍を疑い,悪性腫瘍を見落とさない観察眼である.球結膜や上下眼瞼の皮膚面だけでなく,上眼瞼も翻転して瞼結膜面,涙丘部も観察する.必ず両眼を診察する.経過観察を行う場合,前眼部病変を同じ条件で画像を記録する.
クリニックから病院へ紹介するとき
・良性腫瘍と思われても増大の訴えがあるとき,経過観察で増大傾向を示すとき.
・悪性腫瘍が疑われるとき(良性・悪性の区別がつかない場合も含む).
・眼腫瘍の治療経験がないとき,治療に自信がないとき.
・良性腫瘍と思い切除したが悪性であったとき→クリニックで腫瘍切除をする場合,必ず検体を病理組織検査に提出する.病院紹介時には必ず術前の前眼部写真も添える.病理検査と術前写真も記録できないクリニックでは腫瘍切除をする資格はない.
病院からクリニックへ逆紹介するとき
・良性腫瘍は根治切除後.
・悪性腫瘍は加療後,再発・転移の可能性がほぼなくなったとき.
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